生活保護問題で見えてくるコミュニティ形成の阻害要因

8月1日より、生活保護支給の一斉引き下げが始まった。政治的な力学で言えば、それに対抗するアクションが受給者の側から起きるはずである。しかし、現実はそうなってはいない。

アクションが起きない原因は、受給者が互いに孤立している事にあると見る。行動を起こすには人数がいる。また組織的な統制も取れている必要がある。しかし、現状を見ると孤独死に代表されるように生活保護者は互いに孤立しており、組織的にアクションを取れる体制が整っていないように思える。

上記の話は生活保護に限った話ではない。失業、非正規、過労、ニート、その他諸々の社会的圧力に対し、本来起こるべき行動が起きておらず、組織的に行動出来る状況にも見えない。

利害を同じくする物同士の組織形成を阻害する要因は何であろうか?組織形成を阻害する要因として伝統的な要因として

  • リスクを負いたがるリーダー格がいない
  • 逆に内部で利害が対立する
  • そもそもお互いのコミュニケーションが無い

現状を見ると、どれも当てはまるように思える。特に最後のが問題である。会話が無ければ関係は成立しない。

POSSEのように、生活保護者に一部支援を行うNPOや団体も存在する。しかし、残念ながらその多くは(特に共産系の組織は)伝統的な縦社会を形成しており、横のコミュニティの育成には繋がりにくい。活動の意思決定権に肝心の受給者が関わる事が出来ない 何故なら自分達は受給者より上の立場だから。そのような態度を嫌い組織を利用しない人間も多く、結果として活動の規模が伸びず影響力も限定される。そもそも思想を主体とした人間関係は利害調整が出来ず破綻するのが歴史の教訓である。

生活保護への圧力に対して対抗する為には

  • 受給者こそが意思決定の主体である事
  • 受給者同士が横の繋がりを持ち、長期に渡り負担を分担しながら活動出来る
  • あくまで思想ではなく共通の利益を重視する。はっきり言えば正義より金である。

といった要件が必要だと考える。

このような組織を作るプロセスとして、まず生活受給者と直接会話し、受給者同士が気軽に会話出来る体制を整えなければならない。

残念ながら、ネットでは生活保護受給者の生の声が聞きにくい。もし生の声を聞く方法があれば、是非教えていただきたい。

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